第12話

「!?」


「誰がキサマなんかと!?


 まだ、分からないのか!?」


 英智が初めて、宇多子の方へ向き直った。いまだ曾て見せた事の無い、残忍な笑みを浮かべて……


「フン…

 俺の苗字を『エナイ』って読んでた、バカ女?


 そうとも…?


 俺は―

 『サエナイ』男さ…!?」


「―!!」


 サエナイ…エナイ……


ない〟……!?


「うそッ…!?」


 忘れてはいけない、記憶…突然の衝撃に動揺する宇多子に、英智は残酷な真実を告げる……


「…俺も、話してやる?

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