第2話

 額からカッチリ分けられた、真黒な頭髪。気弱に下がった眉。腫れぼったい一重瞼に、細い眸。面皰だらけの頬。


 黒縁の瓶底眼鏡…そして、曝け出された、彼自身……


 御世辞にも、器量良しとは云えぬ少年であった。彼は、彼女等の嘲笑に、何等抗議する事も無く、黙って涙を流しているだけだ……。


 そんな彼だったが―先の少女が、次の一言を発するなり、態度を急変させた。


「あんたのママから、50万もらったよ♪『手切れ金』って、ヤツ?」


「お母さん!?どうして!?」

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