第18話



「直江さん、さっきIT管理課の社員と会った?」


「え?はい。お会いしました、廊下で」



今日の昼食時間は、経営企画課の田中さんと加藤さんの女子会にお呼ばれされた。


「やっぱり直江さんだった」と朗らかに笑う田中さんはパステルブルーと白のバイカラーブラウスがよく似合う可愛らしい女性だ。



「経企のカッコいい女の子と喋ったってメッセージ来たからきっと直江さんのことだと思ってたの」


「そうなんですね」



さっきの今でもう情報伝達されるんだ、と苦笑いで応える。



「ごめんね、なんか失礼なこと言ったんでしょ?あの子」と申し訳なさそうに両手を合わせるのは白のブラウスにノーカラージャケットを羽織った加藤さん。ザできる女といった雰囲気の女性だ。



「あはは、男性に間違われたことですかね?珍しいことじゃないので全然大丈夫ですよ。気にしないでくださいって伝えておいてください」


「でも……」


「同じ大学の男がIT管理課でお世話になってるんですけど、その子が「こいつ女ですよ」って空気読まずに訂正するもんだから、気まずい思いさせて逆に申し訳なかったです」


「逆に申し訳ないって……直江さんいい子すぎない?怒っていいのにー」



改めて「ごめんね」と言ってくれる彼女たちを見れば、きっとIT管理課の女性も相当反省されていたのだろう。


全然その必要はないのだけれど、私を気遣ってくれるその気持ちが嬉しいし、みんないい人だなってホッコリする。

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