第12話

部長って、中年の太ったおじさんじゃないの?



勝手な思い込みだけどさ、

実際そういう人多いんじゃない?




その疑問に答えるように、女性は印象的な笑顔で教えてくれる。



「相沢くんって言うんだけどね?

大卒で入って、まだ三年目。若手なのにアイデア力に長けていて、現在のうちの目玉を作り出した子なの。

この部署だって、彼を見込んだ社長が作り出したっていっても良いくらい。」



大卒で三年目ということは私の二歳上だよね?



すごい人もいるもんだ。

普通に尊敬。



入社試験だけで、ちょっと満足しちゃってた自分がバカみたいじゃん。




もっと気合い入れなきゃ!って、やる気が出る。




三年目で新たな部署の部長を任せられるだなんて、現実的に考えられないよね。


でもそれが現実のことで、相当すごいことだって新人のわたしでも当然分かる。




「すごいですね。憧れちゃいます」



「でしょう?

また見た目もいい男なのよー!

礼儀も正しくて、あんな息子が欲しかったわー。」



うっとりした目で、息子なんだ?

恋人とかではないのね。



なかなかの現実主義に、思わず笑う。

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