第6話
「そういうわけで、私は彼氏がいたことはございません。お分かり?」
「はあー、信じがたいけどね。」
私の顔をまじまじ見つめて、そう溢す彼女に首を捻ると渋々といった感じで言葉を返す。
「だって、心愛って性格置いといたら、頭はいいし、顔もいいし。
かなりのハイレベルだから。」
「あれあれ?性格置いちゃうの?」
「当たり前だろ。脳内お花畑じゃん。」
「いいね、脳内お花畑!もらったー」
「ほら、ばか。」
指さして、真顔でけなした彼女は、
…ほんとに親友?
「告白も全部断るから、なにかと思えば…
そんな引きずり女だったとはね?」
「止めてよ、引きずり女って。ナメクジみたい。」
「はい?ナメクジの件わかんない。」
ふって嘲笑ぎみに笑われたけど、あえてのそこは無視。
こほん。とひとつ咳ばらいをしてその場を改めて。
「ですが!私、明日から社会人。」
「はいはい、だから?」
「そろそろ、新しい恋を見つけて。遅咲きの青春ってやつを始めたいと存じますところ…」
「なんか、オヤジみたい。普通に話しな?そろそろ、キャパくるしーでしょ?」
「……」
んもー、あーいえば、こーいうなぁ。
「とにかく、もう先輩のことは忘れて新しい恋を探すっていう、……決意表明?」
「ふーん、いいんじゃん?あんたならすぐ見つかる。」
そう、にっこり笑ってくれた。なんか、肩の荷が下りた気分。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます