第5話
【恋愛初心者】
それは、私の最大のコンプレックス。
それを言われてしまったら、もう反論のしようがないし、しようとも思えなくなる。
だってわたし、現在22歳にして、
男の人とお付き合いしたことないんだもん。
だから、恋愛初心者の肩書きは私の大きな傷。
初恋の先輩を忘れられず、早6年。新しい恋に気持ちを移すこともできず、恋愛経験ゼロのままの22歳。
昨日大学を卒業した。
「あんたは、…ほんとに。なんで彼氏作らないのかと思えば…そんな下らない理由だったなんてね?」
礼羅は大学で出会った親友で、高校での私の痛手は今の今まで知らなかったみたい。
隠していたわけでもないんだけど...
礼羅にならこんな風にバカにされること分かってたから言わなかったんだよね。
でも、なぜか、卒業後のカミングアウト。
「下らないってひどくない?
……ちゃんと、すごく、好きだったんだよ。
忘れられないのは...仕方ないじゃん。」
思い出して、泣きそうになりそうなほど…好きだったんだから、ね?
また会えたら付き合えるって…それはOKを貰えたってことだって
期待して期待して、他の人に心を移すことが出来ないほどに。
忘れられるなら忘れたい。
でも、忘れるにはもったいない...
大切な思い出。
「う、うう…」
「うわ、ウザきも!泣くな心愛。」
「ひ、ひど…」
「はいはい、よしよし」
何だかんだで、優しく頭を撫でてくれる礼羅。
うう、そんな風に優しくされたら...
「ごめん。うそ泣きは置いといて、本題に戻るね。」
毒舌女の珍しい優しさに沸いてくるのは罪悪感。
「うそ泣きかいっ!」
素晴らしい突っ込みが入ったところで話を戻そう。
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