第5話

ー5分後ー





――ガチャ…




私は結局、渋々と自分の家に帰るはめになった。




「なんで帰ってきたんだよ?」



全てわかっているような顔で言う疾風。



くそぅ…絶対わかってるでしょ。



なかなか口を開かない私に「言えよ。」って有無を言わさないその瞳…



ううっ…



「……………、


鍵がかかってました…」




「だろうな~

……………………ばか?」




むっかぁぁぁ!!




「鍵とか持ってないわけ!?」




ちょっとキレぎみに言うと



「そんなに俺と一緒じゃ嫌かよ。

俺は、嬉しかったんだけど…?」



少し悲しそうな顔をする疾風。




「違っ!!

だって、なんかあるかもしれないし…」


慌てて弁解すれば、待ってましたとばかりに疾風の顔はニヤリと歪む。



「なんかってなんだろーな?」



………悲しそうな顔とか…

思った私がバカでした。



全ては疾風の思惑通り。




「そんなに俺としたいわけ~?」



顔が近づいて、甘い声が至近距離で脳内に響く。



息かかってるんですけど//



疾風の少し甘い石鹸みたいな香りも近づいて、顔の紅潮は押さえられないほどになっていた。





「したくないっ!!」



耐えきれなくて、顔を背けて言うと、




「じゃあヤっちゃおー!」




「はぁ!!?」




意味不明、理解不能なお返事が…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る