第3話

いや、いやいや。

なんか勝手に話進んでるけど?!


私…旅行いくの許した訳じゃ…





最後に玄関を出ることになったママは、私たちの方を振り向いてニタッと嫌な笑みを浮かべた。



あああ…ぁ…


もうなにも言わないで…―



そんな私の願いとは裏腹に、ママは笑顔で片手を掲げた。




「じゃ、どうせ結婚するんだから、

ヤることヤちゃいなさいよ?」





…っはあぁあぁ?





「もうっ、ママぁ!」



「いってきまぁ―す!」



―――バタン




「えっ…、嘘っ

…ちょっと、待って!」




私は、いま閉まったドアを開けるべく、飛ぶようにしてそこに向かう。




でも…



―ガチャ…




「…………。」




時すでに遅し。



目の前を、大きなワゴン車が切なく通りすぎた。






……………おーまいがっと。




誰でもいいから



嘘だと、いって……

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