第2話

「若い娘が、

男とひとつ屋根の下って…


いいんですか?!お母さんっ!」



……これだよ、これっ!




私ひとりならいいんだよっ!



私…だけなら…――







「なに?

姫乃は俺と一緒は嫌なんだ?」



「……っ!」





後ろから緩く拘束されたのと同時に甘く低い声が耳に届く。




阿久津疾風(アクツハヤテ)



私の幼馴染み


兼、……彼氏だったりする。




「疾風っ、!//」




親の前で…なんつーことをっ!




パッと視線をママたちに戻すと、予想通りニヤニヤと私たちを見つめている親たち。





「あら、うまくやっていけそうじゃない。」



「じゃあ、姫乃ちゃん。

疾風のことよろしく~。」





ふわりと可愛い笑顔でそう告げ、玄関を出ていった疾風ママに続き、

疾風パパ、私のパパが



「火事には気を付けろよー?」



とかなんとか無難なことを言いながら出ていく。

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