第12話
藤沢から見たら、誰とでもヘラヘラ話す俺はチャラくみえるらしく、
女と話しているところを見られると決まって軽蔑したような視線を送られる。
誤解なのに…俺はお前だけが好きなのに。
どんなに嫌われてても、好きな子に会えれば嬉しくて、笑顔で片手を上げて「藤沢!」と彼女を呼んだ。
少し驚いた表情の彼女ににやけそうになる。
今日も可愛すぎか!
身長155センチくらい?
小柄で小動物みたいな見た目は、初めて会った時の衝撃を今でも思い出す。
暗めのアッシュブラウンの髪はふわふわ柔らかそうで、顔は白くて小さいくせに、ナッツ状丸い目はでかくてキラキラしてる。
話していた女性社員に別れを告げて、彼女の目の前まで行くと、目を伏せた彼女は「何?」と素っ気なく聞いてきた。
声かけたの迷惑だったか?なんて弱気になりながらも口を開く。
「藤沢に用事あって来たんだ。」
「ふーん、女の子にチヤホヤされるためじゃなくて?」
おいおい、言葉のトゲがすごいな!
見た目は小動物なのに、口を開けば全然そんなことなくて、
思ったことはズバズバいうし、か弱さを利用したりもしない。
そういうとこも好きなんだけど…俺のこと嫌いなんだって改めて感じる。
だって、好きな人にはきっと甘えるんだろ?女見せるんだろ?
なんか、そう考えたらムカついてきた。
「チヤホヤされるのは俺のせいじゃないし?」
なんて。ナルシスト発言をしたら、眉をピクッとさせて眉間にしわを寄せたけど、珍しく反論はしてこなかった。
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