第5話

「お前、ホント細かいな。経理課の門番の異名は伊達じゃないよな。」




「そんな異名認めてない!

ミス見つけてあげてるんだから感謝してよね、もう!」




伝票を受け取り中身をさらっと確認すると…




「あ、請求書に日付入ってないんですけど。」




「…え?!まじで?」




「付箋貼ってたでしょー?」



「あーもう、俺こういう事務的業務って苦手なんだよな〜。

外でて頭下げてる方が得意なんだよ!

長所伸ばすタイプなんだよ!」




激しく言い訳する三船にイラっとしながらも、可愛いとか思ってしまう私は終わってる。



この可愛げが営業にも役立ってるし、女にもモテる要因だってこともわかってるけど。




「だから、円華に頼めばいいでしょ?

そのために営業一課にも庶務担当いるんだから。」




外勤が多い営業一課は、伝票作成や他部署への見積り依頼など、庶務的な役割を担う庶務担当職員が1人配置されている。



それが同期で私の親友の今井円華いまいまどかなんだけど。



何故か三船はいつも自分で伝票を持ってくるから本当に謎。



同期なんだから円華に頼みにくいなんてこともないだろうに。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る