第4話
180近い長身に加えて、甘いマスク。
入社した時から周りに注目されてて、仕事だって今や【営業部のエース】なんて言われてるんだから、そりゃあモテるに決まってる。
私とは同期で、新採研修の時に好きになって、かれこれ四年半なんだけど…未だに恋愛関係になることもなく
会えば子供のような言い合いをする、そんな仲になってしまった。
「今から経理部行こうと思ってたんだけど、廊下で会うなんて偶然だな?」
「ん、コーヒー注ぎに行くところ。」
マグカップを掲げると、三船は、「あ!」と声を出してニヤっと笑った。
「お前眠いんだろ?昼間バカでかいAランチ食べてたから」
な、なんでそれを!!
「女で男性社員用の特盛ランチ食べてたら嫌でも目立つわ。」
「うう、だって食べるの好きなんだもん…!」
「太るぞー?」
「う、うるさいよ!いつも食べてるわけじゃないんだから放っといて!」
頬を膨らませて怒ってみせるけど、心の中では泣いてます。
好きな人に食いしん坊のレッテルを貼られるなんて結構凹むんですけど!
しかも、「太るぞー?」って、私太った?そう思ったから言ったの?
「うう……で、何の用よ。」
心の中で、今度からはレディースランチにしておこうと反省しつつ、そう聞くと、三船は紙をチラつかせて不満げな顔をした。
「伝票の訂正持って来ました。」
「ああ、早かったね。」
それは、午前中に彼が所属する営業一課に返却した伝票。
こちらで訂正できるものはするけど、起票者の訂正印と営業一課の受付印が必要だったため担当課に戻したものだった。
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