第2話
29歳まであと5日。
付き合って4年、同棲を始めて3年の彼氏から誕生日にプロポーズでもされるんじゃないかって期待していた私はまんまと地獄に落とされた。
「あの、意味が分からないんだけど。」
「だから、結婚するから別れてって言ってんの。」
「…はぁ、えっと、それは、
浮気してたってことでいいんだよね?」
「まあ、そうなるな。」
「…」
ですよね?あなた浮気なさったんですよね?
あまりに上から目線で物を言うから私がおかしいのかと思ったよ。
洗濯物を畳んでいる途中に切り出されたから私の手には彼のパーカー。彼はソファーに寝転びながらスイスイとスマホを触っている。
なにこれ…今、別れ話してるんだよね?
彼の常識離れした態度とこの状況に頭がクラクラする。
「あの、いつから浮気してたの?」
「んー、今の子とは3ヶ月前くらい?」
いや、今の子とは…って、他にもいるんかい。
頭を抱えたくなるのをなんとか抑えて、「その子のこと好きになったってこと?」と尋ねれば、キョトンとした顔をしてから、ポリポリと困ったように頬をかいた。
「いや、ていうか」
「…」
「相手の女が妊娠してさ?」
「…っ、」
開いた口が塞がらない、パート2。
「やっぱり、俺が責任取らないとって思って」
「…」
いや、お前が“責任”とか言っても何も響かねーよ。
既に父親ヅラになっている彼。そんな表情にすら腹が立つけど、それ以上に呆れきって、文句を言う気にもならない。
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