第8話突然の告白
「有崎先輩~。これって、どうやるですか?」困り顔で、私に迫ってくる。
職場の後輩の江崎アリスが、涙で訴えてくる。「どれ、見せて。あぁ、まず
これを名前なしでファイルに保存して」私が、丁寧に教えると
江崎アリスは「さすが、私の憧れの先輩。頼りになりますねぇ」と
その端正な顔を私の顔に近づける。「江崎って、よくうちの会社に
就職できたよね」この綺麗な後輩ちゃんが、よくもまぁ入社
「あぁーまぁーあの時は、がむしゃらだったので。正直、覚えて
ないんですよ」江崎が、笑いながら。当時の事を話す。
「ほら、私の長所はよく笑う事ですから」「それは、本当に
羨ましい事ですねぇ」「はい。ありがとうございます」
江崎の笑う顔を見ていると、些細な事を忘れてしまいそうになる。
こういう子が、近くにいてくれるだけで。幸せな気分になる。
「おーいー有崎くんー。ちょっといいかな?」
「はーい。すぐに行きます」部長に呼ばれ。自分の席から離れようと
した時。江崎が「先輩。仕事終わりに時間いいですか?」
「時間?うん。別にいいけど。どうしたの?」
「先輩に、話したい事があるので。お仕事終わったら。
会社の近くの公園に来てください」何やら、真剣な表情で
私に会社近くの公園に来るように指定してきた。
私は「うん。わかった」と短い返事をする。江崎は、いつもの
笑みを浮かべ。「絶対ですよ」と私に釘を打ってきた。
「お疲れ様でした」「はい。お疲れ様」今日の業務も終わり。
会社を出る。スマホを鞄から取り。家にいるモネにLINEを
送る。「ごめん。仕事終わったけど。後輩の子が、なんか
話があるって言うから。帰るの少し遅れる」LINEで、帰るのが
少し遅れるとモネに伝えると数秒で既読が付き。「了解です」の
柴犬が敬礼している。了解ですのスタンプを送ってきた。
私は、そのスタンプを見て。「ニャー」の猫のスタンプを代わりに
送った。「あっ!先輩ーこっちです。こっち、こっちー」
江崎のよく通る声が公園中に響き渡る。「そんな大きな声
出さなくても。聞こえているから」私は、恥ずかしくなり。
小走りで、江崎の元に寄った。「すみません。私昔から
声が大きいって。クラスの男子に言われてるんで」
恥ずかしそうに喋る。江崎に、私は「で、私に話たい事って。
何なの?」江崎に促すと「あぁ、そうですね・・・・・・
ちょっと待っててくださいね。心の準備をしているので」
「心の準備?」江崎は、そんなに話すのに勇気がいるような事を
言うとしているのか。この少し夕陽が沈みかかっている。
公園で「そんなに話しずらい事なら。場所を変えって、話した方が
いいんじゃない?」「いえ。大丈夫です。私、学生の時の告白も
公園でしたんで」うん?今、この子はなんて言った?学生の頃?
告白?江崎の言った言葉に頭の中で、大量のクエスチョンマークが
浮かぶ。そして、それは突然言われた。「私、初めて先輩を見た時から」
これは、もしかして。「先輩の事が・・・・・・」もしかして、これって
告白される?後輩に、同性に。体の体温が熱くなった。自分からは
告白した事はあるけど。人には、しかも女性にされるのは
初めてだ。生唾を飲み込み。江崎の次の言葉を待つ。
私は、今後輩の告白の言葉を待っていた。続く
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