第7話職場の後輩
「じゃあ、行ってくるね。モネ」「うん。今日も、よろしくお願いします」
仕事に行く時。いつも、モネがよろしくお願いしますと一礼するのが。
ここ最近の恒例行事になっていた。別の世界線から来た。モネは
こっちでは、仕事はしていない。理由は、元の自分の世界線に
帰る方法を探す為と。仕事が忙しく、家の事ができない為。
もう一人の私に、家の事をやってもらっている。これが、
かなり助かっている。休みの日は、私が料理をするけど。
平日の仕事の日は、正直なにもする気がしないので。
「だったら、私が家の事をやるよ」とモネが言ってくれた。
その言葉に甘えて「じゃあ、よろしくお願いします」
「はい。任せてください。大船に乗ったつもりでいってください」
モネが、自身満々に言うので。私も「うむ。頼んだぞ。モネくん」と
ふざけながらモネの肩をポンと軽く叩いた。一緒に住み始めて
一ヶ月が経つ。このもう一人の自分との同棲生活を心の底から
楽しんでいる。自分がいる。「今日、もしかしたら。帰るの
遅くなるかもしれない」今日は、企画会議の準備があって。
いつも定時には帰れるのに、企画会議の準備でいつもより。
帰りが遅くなるのをモネに伝える。「わかった。夕飯の事もあるから。
いるかいらないかは。LINEしてね」と笑顔で、私に言ってきた。
「うん。了解。じゃあ、いってきますー」私は、元気よく玄関の扉を
開け。会社に向かった。「おはようございます」「おはよう。有崎さん」
会社に着き。自分のデスクに、鞄を置き。パソコンの電源を入れる。
「今日の企画会議で使う資料。準備はできてる?」部長が、資料作成が
できているか。私に確認を求める。「はい。概の準備ができています」と
私が言葉を返すと「さすがは、仕事早くて助かるよ」と部長の仏のような
笑みがこぼれる。うちの会社は、決してブラック企業ではない。
残業も滅多にないし。しっかり休めるし。何より定時に帰れる所が
かなり気に入っている。彼と別れた時は、家に帰りたくなかったので。
無理やり部長に「部長。私に仕事をください。めんどくさい系の
仕事を」と無理な仕事の要求を頼んでしまった。でも、今は違う。
今は、モネが待っている。あの愛しの家に早く帰る為に。
私は、定時で必ず帰る事にしている。もちろんしっかりと今日の
仕事を終わらせての話である。企画会議用の資料の確認をしていると
一人の女性社員が話かけてきた。「先輩。おはようございます」
「遅刻ぎりぎりだけど。江崎さん。おはよう」遅刻ギリギリに
会社に現れたのは。一年後輩の江崎アリスだ。色素が薄い紫色の
髪が特徴の江崎アリス《えざき》の登場に、社内が湧いた。
「おはよう。江崎くん」「おはようございますー部長さん」軽い感じで
挨拶をする。江崎アリスが、私は少しだけ。苦手である。
まぁ、愛嬌があって。いいんだけど。私は、笑顔の彼女に
「まずは、部長にはその挨拶の仕方。やめた方がいいかも」と
笑顔の彼女に冷静にツッコミを入れた。(はぁー早く家に帰りたいよ~
モネ)続く
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