第3話二人の呼び方
「お大事になさってくださいね」笑顔で、看護師さんが
私に声をかける。私は軽く頭を下げてから
「ありがとうございます」とお辞儀をした。
病院から出て、私は空を見つめる。今日の空は雲
一つもない快晴だった。「本当に、ここは私が住んでいる
世界線じゃないのか・・・・・・」私の頭では理解するのに
時間がかかりそうな事が起きていた。それは、数時間前に
もう一人の私、もう一人のモネがこんな事を言って来た。
それは、私が家のベランダーで流星が流れるのを見ていた時。
突然、一つの流星が私の目の前に向かってきて
そのまま、私は視界が真っ白になって。気がついたら
この病院のベットで目を覚ました。その時に、私を
助けてくれたのが。もう一人の私だった。私のまるで
SF小説みたいな出来事を。もう一人の私は「そんな事が
本当に起きるんだね」とクスクスと小声で笑っていた。
私は笑った顔のもう一人の私の事が愛しく感じた。
ある程度笑った。もう一人の私はその後に、こんな事を
言いだした。「それって、もしかしてパラレルワールドって
ことじゃないかしら」「パラレルワールド?」どこかで
聞いた事のある。単語を言いだした。「こことは、別の世界線?
っていう所が存在してて。モネさんは、別の世界線の私で
何らかの方法で、私が住む。世界線に来てしまった。
そういうことじゃないかなぁ~って。私は思うけど」
こことは違う世界線が存在している。そんな事を唐突に言われ。
今の私の頭じゃ理解できない。複雑な内容だった。元々、SF系の
作品には苦手意識があり。今まで触れてこないでいたけど
「そういうの詳しんだ。こっちの私は・・・・・・私が聞くと
もう一人の私は顔を横に振って。「昨日、テレビでやっていた。
映画がそんな内容だったから。そうじゃないかな~って
思っただけ」と微笑んだ。それを聞いた。私は
「なにそれ・・・・・・」と声を出して笑った。
やっぱり、こっちの私もSFには詳しくないみたいだ。
そんな事を話ていると、もう一人の私は今更な事を言いだした。
「これから、どうする?」「どうするって?」「とりあえず
元の自分がいた世界には、すぐには戻れないわけだけど。
ひとまず、家にうちに来ませんか?」私は、もう一人の
私に一緒に住まないと提案された。自分の世界線に戻る方法を
探しながら。ひとまずは、こっちの世界に住まないといけなく。
他に行く所がない。私には願ったり叶たっりだった。
「じゃあ~よろしくお願いします」と私は一瞬で決めた。
私の返事に、もう一人の私は「本当?よかったー
断れたら。どうしようと思ったー」安堵の息を漏らし。
もう一人の私が「これから、よろくしお願いします」と
言ってきたので。私も「こちらこそ、お世話になります」と
お互い同じ角度で、頭を軽く下げた。頭を上げ。
互いの顔を見つめた。何だか、気恥ずかしい。
気持ちになった。「じゃあーまずは先に決めるべき事は
決まったねぇ。あとは、お互いの事をどう呼ぶかだね」
お互いの呼び方。一緒に住むという事で、今後本人同士が
混乱しないようにと互いの呼び方について、決める必要があった。
「どう相手を呼ぶか。う~ん~そうだなぁ・・・・・・。
モネさんとかは」私の呼び方の提案をもう一人の私は
「自分の事をさん付けで呼ぶのは抵抗があるかも・・・・・・」と
やんわり却下された。「う~ん。じゃ~あ~呼捨ても違うかも・・・・・・」
私がボソッと言った。呼び捨て案に、もう一人の私が「いいかも。呼び捨て」
とまさかの採用された。「自分の事をさんやちゃんって言うのは、少し
抵抗はあるけど。最初から、呼び捨てなら。抵抗は、私もないし。
何より。「私はモネって。あなたの事を呼びたい」「私も、あなたをモネって
呼びたい。互いが、互いの事をそう呼びたいと思った。もうこれしかない
そう思えた。病院を出て。空を見つめながら。私は、もう一人の私が
出てくるのを待っていた。「ごめんね。モネ。会社に電話してたら。
長くなっちゃて」謝るモネに、私は「全然大丈夫だよ。モネ」と
もう一人の私の名前を言う。モネとモネ。私たちは、お互いをモネと呼びあい
お互いの手を優しく握り。家路を目指した。続く
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