第2話二人は出会う

「大丈夫ですか?」あの声が耳から離れない。

 どこか落ち着く心からホッとするような。

 とても心地いい。あの声が耳から離れない。

 「うぅ・・・・・・うぅ・・・・・・うぅー」

 私はうなされながら、無意識にあの声を求めるように。

 目を勢いよく開けた。「あぁ、良かったー目が覚めた

 みたいですよ」目を勢いよく開けると、そこには

 私と同じ顔の人がいた。「ここは、どこ?」

 私が尋ねると「安心して。ここは、病院です」

「病院?どうして・・・・・・」困惑している。

 私に、同じ顔をした。スーツ姿の女性が

「倒れていたんです。駅の前で、それを私が

 見つけて。声をかけたです」と今の状況を

 説明してくれた。あの声で。「あ、ありがとうございます」

 私は礼を言った。「全然大丈夫ですよ。まぁ、会社は

 遅刻ですけど・・・・・・」と優しく微笑んだ。

 その表情が、私はドキッとした。胸の鼓動を加速させた。

 「すみません。私のせいで、迷惑をかけてしまって・・・・・・」

 「そんな、謝らないでください。倒れている人をあのまま

 放ってく訳にはいけませんし。それに・・・・・・

 それに、何だか。他人事ではない気がしたんです」

 「他人事ではない・・・・・・」その言葉を聞いた途端。

 私の中で、何かが動いた。それが何なのか。今、具体的には

 表現できない。不特定ななにかが。私の中で・・・・・・。

 「あぁ!そうだ。あなたの名前はなんて言うの?」スーツを着た。

 私が聞いて来た。「モネ」「うん?」「有崎モネ《ありさきもね》って

 いいます」「うそでしょう・・・・・・」スーツを着た。もう一人が

 驚いていた。「私も、有崎モネって言います」「えっ⁉」私たちは

 その偶然に驚いていた。同じ顔に、一緒の名前。これって

 偶然なのか。巷で噂されている。自分と同じ顔の人を見ると

 あの世に連れていかれる。そんな都市伝説じゃない事を

 私は、いや違う。私たちは思っていた。それから、私たちは

 お互いの事を話した。最低な元彼の事も、これまでの事も

 何もかも包み隠さず。

 

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