第4話二人は暮らす

「着きました。ここが、私たちのマイハウスです」モネが、にこやかに

 私に言って来た。「って、モネは知っているのか。向こうでも

 一緒だよね」「うん。そうだね」私は、モネの暮らす家を知っている。

 だって、私も向こうでは同じ所に暮らしているから。東京23区から

 離れた。郊外に、これから私達が一緒に住む。マンションがある。

 特段、家賃が高いわけではない。不便な所は、一つもない。

 いや、一つだけある。それは、最寄りの駅が遠いところ。

 それだけが、唯一の不便ポイント。「まぁー客観的に見ても

 いい所だよね。ほどほどで」ほどほど。それが、正直な

 感想だ。「ここから、私たちの同棲生活がはじまる」

 モネは、楽し気に言って来た。私が、元の世界線に戻るまでの

 間。一緒に住む事になった。「じゃあ、今日からよろしくね。

 モネ」モネが、私に笑顔でよろしくと言って来たので。

 私も「よろしくね。モネ」と言葉を返した。私は、しばらくの間。

 こっちのモネの住む。この家で暮らす。元彼が、仕事もせずに

 寄生虫みたいに。私の家に住みつくのはと訳が違う。

 私は、もう一人の私と一緒に暮らす。お互いを意識しながら。

 まだ、恋とは違う。自分を自分が困っているから。じゃあ

 一緒に住むだけだけど。この感覚が、いつか。いつか、この

 関係が。恋愛の感情に繋がればいいと、密かに思っていた。

 こっちの私は、どう思っているんだろうか。「うん?

 どうしたの。モネ」「うん?なんでもないよ。モネ」

 私の考えが、モネには筒抜けかもと一瞬思ってしまった。

 「早く部屋に入ろう。部屋って、三階だよね」私が、先に

 進むと「えっ!何で、知ってるの?」驚くモネに

「だって、私もここに住んでいるだもん」と私は微笑む。

 私の微笑む顔を見つめる。モネは「そうだったねぇ」と

 何だか、少し頬が赤く染めっていた気がする。

 向こうも、私と同じ気持ちなのかな。

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モネとモネ 結局愛せるのは自分だけ 優薔薇 @yo-81u

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