第12話

*Saya side*


「三上さん♪」


「倉橋。おはよ…」


 声をかけると、三上さんは顔を上げて微笑んだ。



「もうおやつの時間ですよ~(笑)何時まで寝てたんですか?」


「んー、起きたばっか。大和に無理矢理連れてこられたんだよ。あいつ、何か今日強引で。」



 くぁ、と欠伸をした三上さんはちょっと座ってろ、と言って、料理が置いてあるテーブルに歩いていった。



 おとなしく待ってると、三上さんはすぐ戻ってきて。



「倉橋、両手出して。」


「?」


 両手を差し出すと、


「ん。」


 パラパラと落ちてきたのは、色とりどりのチョコレートだった。



「あっ、チョコ!ありがとうございます♪」


「いーえ。」



*Yuki side*


 沙耶ちゃんにあんな顔できるんだったら、俺たちにもせめて普通に接してほしい…



 ガチャッ



「…ま、たまには付き合えよ。」


「…だから何の用だよ」


「知らね~」


 部屋に入って来たのは、腹黒生徒会長と…うわ、マジで来ちゃったの?



「よぉ。なんだ、これだけ?…あれ、加納と喋ってるの誰だ?」


「誰、こいつら。…あ、龍と沙耶ちゃん。」


「あ、あのー、く、九鬼先輩」


「あぁ?誰だてめぇ。」


 それだけ言って睨み、龍と沙耶ちゃんの元に近づいて行ったのは、緑峰最恐の風紀委員長九鬼優介先輩。初めて間近で見たけどこえぇよ。

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