第11話
「それにしても、よく龍を連れてこれたな。」
「…まぁ、連れてこなきゃならなかったからな。」
「?」
首を傾げた俺と愁先輩に、大和はあのカードを見せてくれた。
開いてみると…
広瀬大和さま
土曜日午後2時半頃、三上龍さまを連れて〇〇までお越し下さい。もし連れてこれなかったら、バスケ部3年に貴方の彼女候補を見つけるよう頼むことにしましょう。
「……」
「こんな事されたら、たまらないし。よくわかんないけどとりあえず連れてきたんだ。あ、愁先輩、この内容は他の先輩に言わないで下さいね。」
「え、大和彼女探してほしいの?」
「そんなことは一言も言ってません。それより愁先輩の彼女を見つける方が先じゃないですか?」
「…そ、そうだよ!あ~彼女作んなきゃ!」
…大和、ここまで龍連れてくるのに相当苦労したんだろうな。
「まぁ、龍がどんなに機嫌悪くても連れてくれば沙耶ちゃんがいると思ったし。」
「え、なんでわかったの?」
「だって、龍を連れてこなきゃ行けない理由なんて沙耶ちゃん以外に思い付かないし。…そういえば、これは何の集まりなんだ?」
「…あ、人気投票?大和、3位だって!優しい所がいいとか、料理できる所がいいとか。早く彼女ができるといいとか」
「…そっか、嬉しいな。どうもありがとうございます。」
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