第10話

「あの時は、すみませんでした。文美が要さんに惚れたのは要さんのせいじゃなかったのに…。」


「いや、俺が文美ちゃんに手ぇ出したのは事実だし、別れたのも俺のせいだからな。反省してる。」



「文美は…もう、大丈夫です。」


「ああ。相手が透でよかった。2、3発殴られるの覚悟してたけど、透の方が大人だな。」


「誰か殴りたくなったら要さんがサンドバッグになるって伝えときます。」


「はは(苦笑)」



 半分冗談だけど…半分は本気だ。




 あの日から今日まで、ずいぶん時間がかかった気がする…。

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