第10話 ピクニック(死地)に行こう
あのジジイのせいで、俺は、ゲート内での授業は、警護役になったが、不安しかない。なぜなら、ゲート攻略初回の授業はヤバイ。特殊ゲートの一種なのだがこれに気付かず入場してしまう。このゲートにいるのはSCP-1983だ。
ここで少しこいつについて説明させてもらおう。
あいつは平屋の農家の形をしているSCP-1983-1とおよそ1.8mの二足歩行の生き物とSCP-1983-2で構成されている。オブジェクトクラスはKeter。詳しい説明は省くがこんな感じだ。
ミッションは脱出。また、特殊ゲートでは脳を破壊されない限りゲートの外で復活する。それのおかげか、レベルがある程度上がったら小遣い稼ぎのゲートとなるはずだった。だが、先の無い扉を知っている方はこれのクリアがどんなに頑張っても不可能だとわかるだろう。まず、SCP-1983-2は祈りを込めた銀の弾丸でしか倒せない。その上イレギュラーが起きて、外での復活が出来なくなった。そのせいで死者が少なからず出たが、無力化は主人公である、澪がやり、本家の記事では財団の勲章が贈られたが、このストーリーでは脱出ということになった。
「明後日までに銀の弾丸を買ってこないとな。」
俺は財布が軽くなる感覚がした。だって、
「まぁ、悩んだって仕方がない。俺が無力化の手柄をとって、煽ってやるとしますか。」
◆
「お前ら、今からゲート攻略授業を始める。今回は同じ難易度のゲートの攻略の貢献度を見る。各自、グループを組んで攻略に励め。」
「「「「「「はい!」」」」」」
はてさてはてさて、どうしたもんですかね?これから地獄に行くわけだけど。俺は単独で先に入場しようか。すると、そこに声がかかる。
「ね、ねぇ。」
少し高い声がかかる。振り向くと我らが主人公・澪がいた。
「礼央君、僕と組んでくれないかな?」
少し、照れながらそう、提案してくる。なんだ?お前、俺以外友達居ないのか?まぁ確かにここの後に1人目のヒロインと接触するからな。今はボッチな時期だろう。
「悪いけど、一人で攻略するって決めているからね。」
「で、でも一人じゃ大変でしょ。それにさ、礼央君いつも一人でいるでしょう?これを機に僕たちと仲良くなろう。」
「僕たち?」
「そう、最近僕も最近仲良くなったんだけど、宮崎 茜ちゃんだよ。」
澪がそう言うと、後ろから黒髪ロングの前世で言うなら委員長タイプの女の子が出てきた。
「よろしく、さっき紹介された宮崎 茜よ。」
そう、彼女こそがヒロイン第一号だ。それにしてもゲームと違う展開になっているな。本来であれば彼女との出会いはまさにこのゲートの中で死にかけていた彼女を救ったことで仲良くなるといった、なんかこれどこかで見たぞ?的な定番な展開だ。もっというのならば彼女に関しては好感度(友人としての)はカンスト状態から始まるチョロインの役割も果たしていたと俺は思っている。
「やぁ、宮崎さん。僕の名前は桃輝 礼央。一応桃輝家の出身だよ。」
そんな感じで当たり障りのない自己紹介をする。ここで興味を持たれても困るからな。え?可愛い娘に興味持たれて嬉しくないのかって?それが彼女のめんどくさいところだ。こいつは興味を一体持つと好奇心のままに調べ上げる。たとえそれが犯罪行為だったとしても。こいつは、澪のこともストーカーや部屋への不法侵入など、まじでぶっ飛んでる。
「新城君、君の気持は嬉しいけどね、今回はやっぱり断れせてもらうよ。」
理事長からも内密にって言われてるもんな。ここは先に入れせてもらおう。
俺がゲートをくぐると視界が暗転した。
◆
俺の前には一軒の農家があった。これがSCP-1983の入り口である一軒の平屋の農家SCP-1983-1だ。さて、早速入ろうか。
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ミッション:ここから脱出せよ。
報酬:財団からの勲章
特殊条件:あなたはこの空間内でのみSCP財団Dクラス職員の権限が与えられる。
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「霊装:無影 顕現」
さて、攻略を始めますか。
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今回の話に登場したSCP記事へのURLと作者の名前なのです
scp-jp.wikidot.com/scp-1983
DrEverettMann
また、この話はクリエイティブ・コモンズ 表示-継承3.0ライセンスに基づき、SCP Foundation及びSCP財団を下記クレジット表記することで、SCP財団という作品の世界観、設定等の二次利用(商用含む)を許可されているのです。
詳しくは以下のライセンスガイドをご参照してほしいのです。
SCP財団ライセンスガイドhttp://scp-jp.wikidot.com/licensing-guide#toc4
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