第3話 ドタバタ入学試験
ふぅ、急ぎで服を探したからぎりぎり間に合った。しかし、まだ三つの異能しか完全操作が出来ないから、五つの異能を使う転移は大分堪えたな。
「ここが星光学園か。」
俺の目の前にあるのは、西洋の城を学園風に改装した建物だ。これが俺が五年間通うことになる学園だ。
「そろそろ
すると、校門の方で誰かが転ぶ音がした。
「イタタタ…。」
音のする方を見ると蒼銀色のボブの髪型に青紫の目、かわいい顔立ちの男がいた。そう、彼が我らが主人公 新城澪だ。だか、校門前で盛大に転けたため、声を掛ける者は誰もいない。
ちっ!俺が声を掛けるか。少し王子みを出してっと、
「君、大丈夫かい?」
どうだ、この王子っぽいセリフは。『ステラ・バトル』では、礼央は、当初親友キャラという設定だった。最初の出会いは、このセリフだったはず(うろ覚え)!
「大丈夫かい?立てる?」
「うん、ありがとう。大丈夫だよ。ところで君の名前は?」
澪さすがのコミュ力だな。
「僕の名前は桃輝礼央だよ。新城澪君」
「そうなんだ、ありがとう礼央君。」
澪はさすがに鈍いな。なぜ俺が名前を知っているかを聞いてこないとは。それにしてもこいつの身長こんなに低かったか?これじゃあまるで女だ。
「そろそろ試験が始まるからお互い並ぼうか。それじゃあ。」
「そうだね、礼央君また後で。」
また後でか。それはもう来ないけどな。じゃあな、
◆
「この学園の入学試験はゲートを閉じること。各個人がB・C・D・Eから選び主を討伐するまでの時間とランクを計算し点数を出します。一人が大変ならチームを組んでも構いませんそれでは、スタート!」
その言葉を皮切りに受験生たちがゲートに集まっていく。
「さて僕も行くかな。」
俺は迷わずあるゲートに向かっていく。これはイレギュラーゲートで実質Sランク相当の主がいる。そこで力試しに加えて主人公もここに入る。そこで主人公をボコボコにする。さぁ、俺のかませ役の初仕事だ。
俺は澪が入った後すぐに入り、気配を消し澪に気づかれないように先に進む。
「渦巻け
俺の前に現れたオークどもがねじれて血しぶきが舞う。
「はぁ、あっけない。」
俺はそう落胆のため息をついた。
「雑魚どもはいくらいても雑魚だな。」
「があぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
オークどもは仲間の仇とでもいうように俺に掛かってくる。
「空間よ,ねじれ歪め」
俺がそう命令すると同時にオークどもの攻撃は俺を避けるように当たらない。
「はぁ、終わりだ。」
辺り一帯の物体がねじれ破壊される。礼央が去り、その後にはオークの死体のみが残った。
◆
「見つけた。」
俺は木の上から澪を見ていた。だがストーカーではない。大事なことなので二回言おう、ストーカーではない。澪はいまオークジェネラルと戦っていた。
「龍王権能 召喚 黄龍っ!」
澪の後ろに召喚魔法陣が形成され五竜の一角、黄龍が出現する。 オークジェネラルは黄龍に恐怖を感じたのか大きなこん棒を構え突撃していった。しかし、それを岩の壁が阻む。その上から巨大な岩がオークジェネラルの上から落ちてくる。
「ふう、ありがとう、黄龍。」
澪は礼を黄龍にいうと、主の住処に向けて歩いていく。俺はその前に飛び降りる。
「やぁ、新城君。」
「あ、礼央君。君もこのゲートだったんだ。」
「そうだよ、君は主を倒しに行くのかい?」
「そうだよ、この先に主がいるんだ。礼央君も一緒に行く?」
っと無邪気に聞いてくる。中性的な顔立ちと声をしているのですごいあざとい。うん尊い。だけどここを通すわけにはいかない。この恨み晴らさせてもらう(八つ当たり)‼
「残念だけどここからは通すわけにはいかないんだ。」
「え?なんで、礼央君。協力すれば倒せるよ。」
「ごめんね、僕にも引けない理由があるんだ。」
俺の殺気を最初に感じ取ったのは黄龍だった。澪を守るために攻撃を始める。
「さぁ、新城君楽しませてくれるよね?」
俺は澪に聞こえないくらい小さな声でつぶやいた。
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