第2話 霊魂の狭間

主人公一行を徹底的に邪魔するため(八つ当たり)に更なる力を求め、俺はここに修行に来ていた。


 「ここが、原作で★5キャラにならなければ入れなかった修行場所か。」


そう、ここは霊魂の狭間。ここはこれといった特徴のない山だが異能力者が近くで見れば違和感を感じることだろう。ここからは魔力が流れ出てくるからだ。ここの正体は自分の魂と向き合い異能の力を高めるためにある不思議な空間だ。そしてこれが俺の選んだポイント。この山での一日は実際の時間での三十秒である。皆さんはお分かりだろうか。この山に一か月籠れば236.7123287671233年分の修業が出来るはずだ。これぐらい修行すれば主人公様みおをボコボコにできるくらいの力は手に入るだろう。


 「よし、行くか。」


俺は意気揚々と山に入っていった。



やばい、きつすぎる。今60年ぐらいたったのか?一人で60年過ごすのはやばち。


 「だが、異能力は強くなった。」


そう、俺の異能力は数十倍は強くなっていた。しかし、強すぎるせいかまだ一つの異能力しか深くたどり着けず、他の異能力はまだまだ基本状態でしか使うことが出来ない。しかし、ようやく二つ目の異能力の特訓に入れる。


 「俺の十八番は極めたが次はこれが使いやすいからな。」


俺は小さく唱える。


 「渦巻け、そのすべてを憎しみで飲み込め 嫉妬リヴァイアサン


すると俺の周りの全ての物体がなにか見えないものに渦巻かれるようにねじれていった。この異能力の初歩的な使い方はこのように物質や魔力を捻じ曲げ、攻撃も防御もできる、万能型の能力だ。正直礼央こいつにはもったいないくらい優秀な異能ともいえる。初登場時の礼央こいつはこれで主人公相手にいきってたな~懐かしい、礼央こいつのこれをみて俺はよく台パンしてたっけ。おっと、物思いにふけってる場合ではないもっとこいつの深淵へ、もっともっと、こいつの根源そのものへ。



二百年後


 「はぁはぁ、やったぞ。三つの異能の完全操作に成功したぞ!」


そう俺はここに籠っている中で三つの異能の完全操作つまり、種族の進化に成功していた。種族の進化とは一つ以上の異能の完全操作が可能になった人類が起こす奇跡である。進化後の種族は異能の能力によって決まるが俺の種族は真祖のヴァンパイアだった。そしてそれは俺の目論見どうりだった。


 「くくく....。これで死を考えずに主人公達を邪魔できるな。」


そう、礼央はかませ役なので結構多くの死亡エンドがある。だけどこれでほとんどは無力化できただろう。例外があるがそれは滅多に入らないルートだから無視しよう

(フラグ)。


 「そろそろか。」


今山を下りたら、約七分後に試験が始まるだろう。時間は問題ない。原作のおかげでこの国の地図は頭に叩き込んである。転移を使えば間に合うだろう。


 「さて、主人公様の実力でも見ながら試験で二位になってきますか。」


と簡単に言ってると思うだろうが異能があれば楽勝だ。


 「じゃあな、またくるぜ。」


俺はそう言って山から学園へと転移していった。しかし術の発動直前に重要なことを思い出す。


 「あれ、この服じゃ汚くね?」


そう、俺の服は修行のせいか砂汚れがひどかった。とてもではないが人前に行ける服装ではない。


 「やっべ、服、服。」 


俺の学園生活は安泰に始まるのか?なんか今年は厄年になりそうだ。


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