最終話:俺たちの戦いはこれからだ!
「クックック……我々の作ったダンジョンの中でもタクトに任せていたダンジョンは」
「最重要。あそこが破壊されてしまったら全ての計画はパーだ」
「……どうしよう」
この世界にダンジョンを作っていた奴らは、最重要ダンジョンが真っ先に破壊されてしまった事に頭を抱える。未練が残り続ける限り動き続けるはずのタクトがアッサリ殺され骸に封じられ、もう完全に計画は終わっていた。
「……やめよっか」「そうだね」
その日以降、ダンジョンは出なくなっていった。
◆
タクトとの戦いを終え、師匠と子猫の二人は沖縄にやってきていた。時はいったん故郷に帰って魔術書を本棚にしまうと言って帰っていき、コンとタマの二人はしばらく一のところで過ごすとの事。
「ダンジョン配信も今までの盛り上がりがウソみたいになくなりましたね師匠」
「じゃな。まぁそういうこともあるわい」
ダンジョンがなくなって早一ヶ月。既にヨーツベではダンジョン配信は見る影もなくなっていた。それもそうだろう。それ以外にネタが無いのだから。今では一番新作が一ヶ月前になっているレベルの落ちぶれっぷり。まぁでも気にはしなかった。
「結局あのタクトとか言う奴との決戦に、ワシは関われんかったからのぉ……」
あの後、碑矩は師匠に事の顛末を伝えたが、こっぴどく叱られてしまった。まぁ内容はどちらかというと『なぜ外に出た時点でワシと一緒に戦わなかったのか』という感じだったが。
ちゃんと理由も説明したのだが、なかなか理解してもらえなかった。
「まぁまぁ。あの土壇場で其の十を閃かなかったら負けてたんですから」
「ワシがキレておるのはそこじゃ!貴様の編み出した改を最初に食らいたかったのになぁ!」
「そこですか!?」
あの時使えた改という技は、今は使えない。テンションが上がっていたから使えたのか、それとも別の何かか。まぁとにかく使えるようになったわけではない。
そんな激闘があったからなのか沖縄の海に大はしゃぎの子猫をよそに、二人は浜辺でゆるゆるとしていた。そんな中二人の元に大慌てでやってくる骸の姿が。
「あ、骸だ」
「大変だぜお前ら!日本のダンジョンは無くなったけど今度はアメリカとかでダンジョンができ始めたんだってよ!」
そんなことある?と思ったが事実な様子。焦りようからして本当にイレギュラーな事が起きたようである。
「なにぃ?また面妖な……。と言うか今までなかったのか、海外にダンジョン」
「いや?あったんだけど加速度的に増え始めてんだよ!今から行くぞ海外!」
「はぁ……ワシは行くが、碑矩。お主はどうする?」
「行きますよ。おーい子猫!」
まぁ師匠らが海外に行くことは確定なのだが、それはそうと子猫もつれていきたい碑矩は子猫に質問する。
「え?!なに!?」
「アメリカ行きたくない!?」
「マジ!?ニューヨーク!?もちろん行く!」
「だそうです」
「そうか!まぁ体もなまっていたところ、久々に海外に行くとするか!!!」
……こうして、碑矩達はアメリカに行くことになった。
そこでとんでもない目にあったり碑矩のもう一つの過去だったりが判明するのですが……まぁ、その話はまたいつか。
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