第2話 圧倒

「葉月、涼風、本格的に戦う前に確認しておきたい事がある。聞いてくれるか?」


「はい!」


「あぁ。」


「じゃあ確認だ、二人はどんな武器を使うんだ?それを共有しておかないと連携なんて出来ないからな。」


「そうゆうことなら。…私の武器は普通のナイフです。能力的にこれが一番使い易くて。」


「俺はそうゆう類いの武器は持ってない、俺も能力的に武器は無い方がやり易い。」


「分かった。…一応見れば分かると思うが、俺の武器は刀だ。」


そうして、各々の武器を確認した瞬間、相手三人が俺達を襲った。



瞬間、俺の刀と相手の刀の衝突が起こり、火花が散った。


そうして一瞬、辺りを見渡すと葉月と涼風にも一人ずつ相手がついていた。


その光景を見て…やはり、この学園には馬鹿な奴はいないようだと、改めて感じた。


そして、刀と刀の衝突が周辺に火花を撒き散らす。


そんな中、俺は言葉を紡いだ。


「こんな所で躓く訳にはまだ早過ぎるんでな。能力使わせてもらうぞ。」


…目の前の男がそう言葉を紡いだ瞬間、僕の身体は切り刻まれていた。



「…相手が俺なのが悪かったな。」



…柳楽秀、あいつ俺の予想以上に強いな。それに流れを作るのが上手い。相手からしたらこれ程早く一人倒されたら士気は下がる。この隙に自分達の相手を倒せってことか。


「…お前は耐えれるか…?能力、◯◯◯◯。」


瞬間、涼風の相手は地面に倒れ込んだ。


「涼風、あいつも強いな。」



…ふ、二人とも強過ぎる。あんな簡単に倒すなんて…。……私も頑張らなきゃ。



…見ていた、視界に収めていた。いや、それどころか目の前にいた筈なのに…。急に消えた。


目の前から、視界から…。


瞬間、俺の身体は切り刻まれていて…。出血が多過ぎて俺の意識は消え去った。


「ご、ごめんなさい。切り過ぎたかも…。」



「柳楽秀、涼風碧、葉月陽チームの勝利!」


その教師の言葉により俺達の勝利で能力戦闘が終わりを告げた。



そうして、辺りの景色は元の空間に戻った。


戻ってきた瞬間、教師に俺達は喋り掛けられた。


「君達、この授業が終わった後に話がある。私の所へ来なさい。」


その教師の言葉に従い、授業が終わってから、教師の元に行った。



そうして教師に言われた言葉は。


「君達にはクラスを移動してもらう事になった。君達の実力はこのクラスの枠に収まらない。まぁ、今日の所は寮に戻りなさい。明日の朝には新しいクラスが通達されているから。」


そうして俺達三人は寮に戻った。



「涼風、葉月、二人とも強かったんだな。」


「いやぁ、私は全然ですよ。二人とも強過ぎて少し自信無くなりました。」


「柳楽、お前も十分強かった。少しお前の事を下に見過ぎていた。それに関しては謝ろう。」


「いや、謝らなくて良い。俺も二人のことは正直下に見ていた。」


「……二人とも!苗字じゃなくて下の名前で呼びませんか!これから一緒に過ごすんですし…ね!」


「俺はいいが、二人は良いのか?」


「私は全然良いですよ!」


「俺もいいぞ。」



…そうして、俺に初めての仲間が出来た。

この二人はこの日から俺にとって最も大事な存在になることを俺はまだ知らない。



そして、次の朝を俺達は迎えた。


輝く朝日に照らされて…。




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