世界滅亡一分前

カニ様

第1話 実習訓練

俺は…世界は狂っていると思う。


多くの人々も狂っていると言う。


だけど、一部の人々は正常だと言う。


それは何故か…。それは。


世界に悪と正義が存在してるからだと思う。


言ってる意味が分からない?別にそれで良い。

俺は理解を求めてる訳じゃない。


でも、これだけは言いたい。



…世界は狂っている。



…2724年、俺は正義を掲げる学園に入学する。


…この世界には悪と言われる存在と、

正義と言われる存在がいる。


正義側の人間は能力という人智を超えた力を扱い、悪を制圧していく。


当然、悪側も能力を使い対抗している。


そんな世界にある学園は…。当然正義側の人間を育てる学園だ。だが、悪側を育てる学園などは存在しない。


まぁ、普通に考えたら当たり前の事だ。



…こんな話は興味無いだろう。もう辞めよう。


…今日から俺は正義側の学園に入学し、能力の使い方を学びに行く。


学ぶ事なんてない気がするけど。


そうして学園の門の先に進んでいく。


…学園での入学式は意外とすぐに終わった。


そうして、教師に寮へ案内された。


寮と言っても一軒家が何個もあるだけだ。一学年ずつ全員が過ごす寮ではなく何人かに分かれて過ごすタイプの寮らしい。


「貴方達は今日から四年間この寮で三人で生活して頂きます。すぐに実習訓練があるので自己紹介位は済ませておいて下さい。」


そうして、俺達は自己紹介を始めた。


「俺は柳楽秀“やぎらしゅう”よろしく。」


「私は葉月陽“はづきよう”よろしくね。」


「涼風碧“すずかぜあおい”…よろしく。」


そこから沈黙の時間が過ぎていった。寮にある時計の針の音だけが響いていた。


そうして、教師が言っていた実習訓練の時間になり、俺達三人は言われていた実習場に到着した。


そこには、俺達以外のグループが20組程いた。


そうして、教師が生徒達の前に出て言葉を紡いだ。



「入学おめでとう、初日早々で悪いが早速実習訓練だ。」


次の瞬間、見覚えの無い空間に飛ばされた。


「ここは…何処だ?」


俺がそう言葉を零すと、教師が言葉を紡いだ。



「ここは、本当の実習場だ。さっきまで君達がいた場所はここに来るための所謂待機場だ。」


その言葉を聞き、俺は納得した。そうして、

続け様に教師は言った。


「今からランダムな抽選を行い、三対三の能力戦闘を行ってもらう。グループで一人リーダーを決めてリーダーは私の元へ来い。」

と…。


「葉月と涼風だったか、誰がリーダーになるか決めよう。一応聞くが、どっちかがやりたいなんて事あるか?」


「私はリーダーとか、そういう器じゃないし、単純に自信ないかな…。」


「興味ない、リーダーなんて誰でも良い。」


…この二人、話進まねぇな。はぁ…。


「分かった、取り敢えず今回は俺がリーダーで行く。異論あるか?」


「私はないよ。」


「俺もない。」


「じゃあ、行ってくる。」


そうして俺は教師の元に行った。


教師は長い棒を持っていて各々のグループのリーダーが一人ずつ引いていっていた。


そうして俺の番が来て棒を引くと一と書かれていた。


それから少しの時間が経ち、最後のグループが棒を引いた。


瞬間、教師が言った。


「抽選が終わった!今から能力戦闘を始める。一と数字の書かれた二組は私の元に来い!」

と…。


そうして俺、葉月、涼風、そして相手の三人が教師の元に来た。


そうして教師が言葉を紡いだ。


「能力・花鳥風月」と…。


次の瞬間、また辺りの景色が変化した。


山、湖、森。ぱっと見で分かるのはこれくらいだろうか。だが、とても美しい風景だ。


そう思考をしているとこの美しい風景の空間に声が響いた。


「一分後に能力戦闘の開始を宣言します。直ちにグループ事にその場から離れなさい。」


俺達はその言葉に従い、その場を後にした。


そうして一分が経ち能力戦闘開始の宣言がされた。


「能力戦闘一戦目、開始!」






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世界滅亡一分前 カニ様 @kiruki

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