第10話 お父様とお母様との話し合い①
無事?、あたしと
「お帰りなさい。あなた。ミシェルちゃん。お話はいかがでしたか?」
出迎えた
「あの
「それは、ミシェルの主観だろうが! ただ、確かにとても立派なお方だった」
「そうなのね……あなた。お茶でも飲みながら、今までのお話を聞かせてくださる?」
鼻腔をくすぐる芳醇な香り……。
「今日はアールグレイだ!」
自信満々に胸を張るあたしを、みんなが残念な物を見る目で見てきた。あれ? 違った?
「……記憶力はいいはずなのに、もったいないわ」
「マナー、文化、芸術、嗜好品……貴族女子として必要な物の知識が、こんなにも身につきにくいのはなぜだろうか……」
ため息をつく
「ミシェル様。今日のお茶は、アッサムです。甘く華やかな香りがするでしょう? アールグレイは、ベルガモットの香りがする、こちらです。……ミシェル様は、うっかりなところまで可愛いな」
そう言いながら、手早く紅茶を用意するムサルト。え、ムサルトってそんなことまでできたの? 有能じゃん!
「ムサルト、そんなこともできんの? まじ有能」
あたしの笑顔でムサルトは固まって無効化した。あたしの信者がまた増えちゃったかな〜。
「……あのムサルトが、中身も全て知っている、あのムサルトが……この言動の
がちゃーん!
「こら、ムサルト! ……旦那様、大変失礼いたしました」
ムサルトの
「え、
「……お父様は、お母様の命とお父様の首は大切だと思う。前言撤回しよう。ムサルト。我が
「はっ!」
真剣に悩んだ
「で、国王陛下のあげた、容疑者の皆様とのお話は終わったのですよね? 事件当時、皆様はどちらにいらしたのかしら?」
冷静に話を戻した
「国王陛下のお隣に、王妃様がいらしただろう? 陛下を挟んで反対側が側妃様のお席だ。会場である大広間の前方の人々の中心に、大臣がいらっしゃったそうだ。公爵は大広間前の廊下で休んでいらしたらしい。ただ、近くに会場警備の護衛騎士たちがいたとおっしゃっていた」
「公爵様はなぜお外にいらしたのでしょう? これから国王陛下たちのご挨拶の始まる時間でしたよね? ……裏どりをなさい」
手をパンパンと叩いた
「……早く会場におつきになられたとおっしゃっていたから、お疲れになられたのではないか?」
「そうですか……。皆様、ピンクメイドが王妃様を刺した現場を見ていないのですよね? 王妃様が声を上げられるまで。なぜ、皆様気が付かなかったのでしょうか?」
「確かに!
「それに、ピンクメイドは、手に血がついていたという理由で拘束されたのでしょう? 服は? 返り血がかかっていないのは、どうしてでしょう?」
怒涛に飛び出す
「あの日、服に血がついていた人物は、自身の鼻血で血塗られた王子殿下と王妃殿下を助けたミシェルと宮廷治療師、ミシェルに触れたお父様くらいか……」
「それと、側妃様も血塗られたみたいな真っ赤なドレス着てたよね」
あたしが思い出したように言うと、
「…………ミシェル、憶測で物を言うでないぞ?」
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