第15話

気づくと港の漁師の人たちが

やってきて、救急車や警察など、

自分の親までもが、来ていた。


一瞬の事だった。



17:47

俊はナイフで首を切ったのだ。


「和哉くんがいたから

ここまでこれたんだ」


自分の腕の中で段々と

冷たくなっていく俊。

ふたりで死のうよ。

人殺しなんて、そこら中に湧いてるじゃんか。

俊は悪くないよ。


「あ、り、が、と、う」


血が止まらない。

こんなときにどうすればいいのか

全く、知らない自分が情けなかった。


俊は、俺の腕の中で自ら命をたった。

きっと、ずっと計画していたのかもしれない。

タイミングを掴めるわけない。


守ってやれなかった。


最後に力が抜けると

自分は叫んでいた。


涙も止まらない。

なあ、まだまだ俺らこれからだったよな?

智洋も待ってるんだぜ?

3人で馬鹿みたいなことで

笑っていくんだよ。


俊に俺の声は、気持ちは、伝わっていたのか。


まわりは血まみれで

君がここからいなくなったんだと

俺だけが生き残ったんだと

それだけは分かった。


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