第15話
気づくと港の漁師の人たちが
やってきて、救急車や警察など、
自分の親までもが、来ていた。
一瞬の事だった。
17:47
俊はナイフで首を切ったのだ。
「和哉くんがいたから
ここまでこれたんだ」
自分の腕の中で段々と
冷たくなっていく俊。
ふたりで死のうよ。
人殺しなんて、そこら中に湧いてるじゃんか。
俊は悪くないよ。
「あ、り、が、と、う」
血が止まらない。
こんなときにどうすればいいのか
全く、知らない自分が情けなかった。
俊は、俺の腕の中で自ら命をたった。
きっと、ずっと計画していたのかもしれない。
タイミングを掴めるわけない。
守ってやれなかった。
最後に力が抜けると
自分は叫んでいた。
涙も止まらない。
なあ、まだまだ俺らこれからだったよな?
智洋も待ってるんだぜ?
3人で馬鹿みたいなことで
笑っていくんだよ。
俊に俺の声は、気持ちは、伝わっていたのか。
まわりは血まみれで
君がここからいなくなったんだと
俺だけが生き残ったんだと
それだけは分かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます