第12話

21:15


「和哉くん!」


俊がこないかと不安だったが

俊はきた。

大きいリュックと一緒に。


「和哉くんのリュック大きいねすごいや」


「お前もだろ、これは父さんの

キャンプとか好きな人だったから」

少し笑うふたり。


「この、サイクリングロードの先には

隣町のキャンプ場がある。

そこまで、歩くぞ」


「う、うん」


沈黙が続く。


「ごめんね、僕が悪いのにこんな、」


「何も言うな、その事いったら

デコピン食らわせるぞ」


10:23


ひたすら歩き続けて

やっと、キャンプ場にたどり着いた。


「あーー!いますぐ寝袋でねてえ!」


ふたりとも体力は言外だった。


「こんなに、歩いたことないや」


「てか俊は、何持ってきたの?そんなでかいので」


「教科書と、あとSwitchと台所にあった

インスタント麺とかかなあ」


「お前この状況で。教科書もってくるやついるかよ」


「あはは、そうだね」


それから何日かその、キャンプ場に

泊まっていた。

父さんの2人分のテントを

もってきて正解だと常々思った。


「」

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