第5話


「俊、大丈夫か?」


「和哉くんこそ、そんな顔で大丈夫なの」


保健室で手当をされながら

ふと笑いが込み上げてきた。


「4人なんでずりーよな、俺死ぬかと思った」


「和哉くん」


俊がこっちを見て言った


「ありがとう」


夕焼けのせいなのか。

俊の茶髪の髪と

色素の薄い目。


今にも消えてしまいそうな

気分にさせるように俊が笑う。


俊の、髪を触ろうとしたとき


「和哉ーー!!!」


智洋が保健室に乗り込んできて

ふと、手を隠した。


「お前が喧嘩なんて、らしくねえよ!

俺がそいつらを、ボコボコにしてやるぞ!」


智洋を見て、俊と俺は笑った。


この騒動の日から

僕たちは2択を選ばされ

一緒に同じ道を進んだんだ。

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