六の上 集結、反秦連合軍
英布を幕下に加え、
それからしばらくしたある日。大将たちが
「
もう70歳にもなろうかという老人ですが、その智謀は
この人を味方に引き入れたなら、天下は半年のうちに平定できるでしょう」
「わしも以前からその名前は耳にしていた。
季布よ。すぐに行って、その人物を招いてきてくれ」
命を受けた季布は、贈り物を用意して
そのあたりの住人に
「3里ほど先に
との答え。
季布はすぐに
すると、山の中に、幽玄な気配の漂う
「間違いない、ここだ」
季布が近寄り、
一人の
顔は
腹に
老翁
「こんな
季布は、
「それがしは、
まして
これではまるで、
我が
その
先生、どうかこれをお受け取りください。大いなる才能を発揮して、天下を
しかし
「まずは
と、慎重に考えていたのである。
これに対して、季布は地にひざまずき、しきりに懇願した。
「私とて、
そこへ今、項将軍の命を受け、
これもよい機会であろう。
まあ、今日のところは帰りなさい。今夜じっくりと意思を固めて、明日になったら贈り物を受け取るつもりだよ」
だが季布は地にひれ伏し、さらに食い下がる。
「それがし、幸運にも先生にお会いできて、千金の価値を持つ宝玉を手に入れたような気持ちです。もし明日まで待てば、お気持ちが変わってしまうやもしれません。どうか先生、今お受け取りください!」
とうとう
贈り物を受け取って
*
その夜……
ところが、どうも良くない。
これまでの言動や、今の情勢、未来の予測など、細かいところまでよくよく考慮してみると……
「軽々しく引き受けるのではなかった……
しかし男たるもの、一度言葉にした約束は、万金を積まれたとしても破ってはならぬ」
そう思い直して、翌日。
*
「わしは
昨日、季布を
「項将軍は、代々
私などは取るにたらない年寄りで、一体何の才能があってこれほど手厚く迎えていただいたものやら分からぬほどだが……
こうなったからには、
これを聞いた
そして、実際に天下のことを議論させてみると、
これまさに鬼神の知恵……
(つづく)
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