第12話 まるでアニメみたいなバトル展開

「デビーマ」


 あまめが真剣な顔で小悪魔を睨んだ。


「なんだよ。何か文句でも?」


 デビーマは嫌そうな顔をして睨んでいた。


「今すぐ悪さをやめるのなら見逃す。ただもしやり続けるのなら……痛い目みる事になる」


 あまめが一歩前に出した。


 彼女からただならぬ気配を感じた。


「ほ〜う。面白いじゃない」


 デビーマは怖がるどころか、愉快そうに笑った。


「やれるもんならやってみなよ。言っておくが、あの時の私より格段に強くなっているいるからな」


 デビーマの身体からオーラが出てきた。


 あまめはファイティングポーズを取って、ジッとしていた。


 デビーマは唸り声にも近い声を上げた。


 周辺にいた鳥達は彼女の声に驚いて逃げてしまった。


 ナチュルは「モブ子ちゃん、逃げて!」と私の手を掴んで走った。


「え? なになに、どうしたの?!」

「もうすぐここは戦場になります。急いで逃げないと……」


 ナチュルがそう言っている背後で、爆発音と熱波が襲いかかった。


「きゃぁっ?!」

「ぬわっ?!」


 私とナチュルはたちまち巻き添えをくらい、数メートルぐらい吹っ飛ばされてしまった。


「だ、大丈夫ですか?!」


 ナチュルが心配そうに聞いてきた。


 私は全身が痛かったが、「へ、平気よ……」と強がった。


 あまめ達がいる方は黒煙が漂っていた。


 しかし、その中にはバチドコと何かが激しくぶつかり合う音がした。


 黒煙から飛び出したのは、デビーマとあまめだった。


 二人とも驚いていた当たり前のように空を飛んでいた。


「シシシシ!!! 面白い、面白いぞぉ!!」


 デビーマは笑いながら禍々しい球を生み出して、あまめの方は無表情で拳をぶつけ、蹴ったり殴ったりしていた。


 私はこの光景がとても現実とは思えなかった。


 まるでアニメから飛び出してきたかのような景色だった。


 ナチュルは目を閉じて何か祈っていた。


「どうかあまめちゃんにご加護を……」


 そう唱えるや否や、あまめの身体が光りだした。


「チッ、妖精の加護か……」


 デビーマはあまめの状態を知っているらしく、攻撃を止めて少し距離をおいた。


 何かあの状態だとデビーマに悪い影響を与えるらしい。


「死にたくなかったら私の言う通りにしなさい」


 あまめが鋭い声を出するが、デビーマは「やなこった」と舌を出した。


「だったら……」


 あまめの片手が光りだした。


 デビーマも同じく片手を禍々しいオーラをまとわせた。


「ハッ!」

「おりゃっ!」


 二人は片手から光線みたいなものを出した

 それは激しくぶつかって拮抗した。


 両者譲らぬ押し合いが続き、やがて光線の方が耐えられなかったのか、そのまま大爆発を起こした。


「きゃっ?!」

「ぶああああああ!!!」


 私、あまめ、デビーマ、ナチュルはその爆発に巻き込まれてしまった。


 私の意識が遠のいていった。


 

明日へつづく

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