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第9話
しとしとと小雨が降っていた。
辺りはもう暗い。
京都の街はきらきらと輝いていた。
あたしの最期の場所がこんなに煌めいていいのだろうか。
でも、もうそんなことを考える余裕もない。
動かなくなってきた重い身体を引きずって、光の届かない路地裏の暗闇へと溶け込んだ。
“あの人”から逃げ切れた。
これでもう、何も考えなくていいんだ。
あたしの記憶は、ここで終わり。
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