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第5話

目的の場所まで片道でいけるかいけないかくらいだけのお金を握り締めて、電車に飛び乗った。




乱れた息を必死に整える。



公共交通機関なら、少しは警戒が解ける。





電車内には帰宅時間なのかあたしと同い年くらいの高校生たちで溢れかえっていた。


息が乱れているからなのか、視線を一気に浴びた。





……!

必死で忘れてたけど、あたし裸足だ!


さらにその上、闇を連想させるような黒のセーラー服から覗く脚には藍い刺青。



闇を連想させるほど漆黒なロングヘアから見える首元には紅い紅いキスマーク。





これは、嫌でも目立つよな。


心の中で苦笑いしながらなるべく隅へと移動した。






まず第一、高校でセーラー服なのはここら辺じゃ珍しくて1発でどこだか分かられてしまう。




訳ありの家とかお嬢様とかしかいけない、私立。






あたしは籠の中に閉じ込められていたのかもしれない。

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