第12話

時刻は18時。


とうとう入室の時が来てしまった。



「お楽しみのところ失礼します、Aカンパニーから来ましたコンパニオン7名です」


今日のリーダーの最年長のお姉さんの後に続き、座敷に正座する。



あたしはこの瞬間が一番緊張する。



それまで騒がしかった客たちが一斉に静かになり、見せ物を見るような視線が刺さるのを感じられた。




まるで品定めされているようで本当に落ち着かない。




「一番端、若えギャルいるじゃん」


「弘毅の好みじゃね、やったじゃん」



もちろん一番端にいるのはあたし。


こういう野次ももう慣れたけど。



顔はあげず、開始の挨拶をした。






挨拶が終わり、最初は瓶ビールをもってそれぞれの席にお酌しに行く。



あたしは最年少だから下っ端の社員の人たちのところから回ればいい。

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