第13話

「ギャルちゃんこっちおいでよー」



真ん中くらいの席からそう声が飛んでくる。



「あとでいっぱい行くんで待っててくださいね」


そう軽く受け流し、若手の子たちのグラスへとビールを注いでいく。




やだな、あの真ん中の席のやつら絶対治安悪いもん。



こう見回しただけでも、浴衣の下から刺青が見え隠れしたり髪色が明るかったり

明らかにヤンチャそうな人たちばかりだった。






本当にこういう団体の男の人たちって苦手。



すぐヤラせてって言ってくるし、ノリが軽い。


まああたしが何言ってんだって話なんだけど。





「お姉さん大丈夫?あっちちょっと柄悪いですよね」


そう声を掛けてくれたのは下座にいる外職に似つかない優しそうな同い年くらいの男の子だった。




「全然そんなことないですよ。みなさん楽しそうな方々でよかった」


そういって笑顔をみせた。

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