第14話 姉妹?
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「煙草、吸うんですね」
「嫌だった?」
煙を吐き出しながら煙草片手に持っている。
「いや、カウンセラーたるもの有害なものは摂取しない意識高い系かと思いまして」
するとへへっと笑ったカウンセラー。よく笑う女性だ。
「そう言えば、お名前はなんて言うんですか?」
「志連蛍よ」
まさかと思って、スマホの写真アプリで香帆の写真を見せる。「この子、志連香帆とご親戚ですか?」
「うん? たしかに香帆って私の妹だけど……でもあの子は……」
「あの子は、何なんですか?」
「……ううん、この話はしないほうがいいわね。なんでもないわ」
変なところで話を止められた。そのことに、多少なりとも困惑があった。
いったい香帆は何者なのか。どうしてすぐに自分を殺さず、三カ月の猶予を設けたのか。分からないことづくめだ。
最後にレジ袋ぱんぱんに詰められた駄菓子を持たされて、蛍に別れを告げられた。
夜道をどうしてか、上気分でスキップをしてみた。そうしてみると悲しみから解放されているようで。
ああ、なんていい気分なんだろう。
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