私じゃないの
私は嫌な人間だった時期がありました。
女性関係がふしだらであり、問題を起こしたこともありました。
それは20代前半の時です。
私はAさん(仮)と呼ばれる方とお付き合いをしている最中にBさん(仮)と不倫関係を持ったことがあります。その時に起きた話です。
私は断然、Aさんといる時間が長く、Bさんとは多く連絡を取っていました。
そんなある日、Bさんと関係を断つべく彼女にもうやめようという提案をしました。その時はメッセージアプリだったのですが、
『なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで」と
書かれたメッセージが来ました。
私はその会話から嫌悪感が広まり、連絡先を全てブロックしました。
その関係はAさんには知られることもなく、証拠となるものも全て削除しました。
そんな日が終わって、とある休日に遊園地にAさんとデートに行きました。
色々なアトラクションを乗り、やはり日も暮れてきた頃に観覧車に乗るというベタなことをしていました。
観覧車のゴンドラのドアが開き、私たちは案内されたゴンドラに乗ろうとしてました。
その際、Aさんがとても嫌がったのです。私はどうしたのかと彼女に尋ねると、
「見ちゃいけないもの見た」
とだけ言うのです。
なんだろうとゴンドラをじっと見ると、
顔の廃れたぼさぼさの髪の女がゴンドラの中でこちらをじっと見ながら口をぱくぱくしているのです。
それだけでゾッとしたのですが、口の動きを見ると
『私じゃないの、私じゃないの、私じゃないの』と言っていたのが見えました。
Aさんはその場を去り、私はそれを追いかけました。
結果、Aさんとの関係もそこで終わりました。
それから今に至るまで恋人は出来ていません。
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