神様

私は神様という存在がやはり実在していると思う。

そんな話を少し。

私の地元には誰も手のつけていない神社があります。

そこには何か嫌な雰囲気が漂っていると地域では有名になりました。

私は職場の悩みもあり、実家に帰省した際、缶ビールを飲みながら何となく歩いていました。夜だったのですがその神社が無性に気になり、鳥居に深く頭を下げて入りました。

参拝するために階段を上がり、参拝するため賽銭箱の手前に缶ビールを置きました。

私はズボンのポケットにあった12円を賽銭箱に入れ、大きく手を合わせました。

すると足がふらついた拍子で缶を溢してしまったのです。私は振り返り、缶をとりあえずあちゃーとため息をついていると何処からか声が聞こえてきました。人の気配なんてないのです。

『ほおお、久しぶりの酒じゃな』

と年老いた男性の声です。

私は驚いて中を覗きました。

『その酒、もっとくれもっとくれ』

私はあの、誰です?と問いかけた。

『そんなもんはいい。その酒をもっとくれ』

と、埒が明かないと思い、また来ますねとその場から立ち去ろうとした。

すると、声の主はハハハと笑い、『おみゃーにはいい幸せが見えるぞ』と背後から言われた。

ビールを忘れずに持ってきますと言ったらとにかく喜んでいた。

悪いものではないが、忘れられてる存在がおそらくたくさんあるだろう。私はその感覚を大切に日々を過ごしています。

私はそれから半年に2回ほど、

缶ビールを供えに訪れます。

すぐに難しいと言われた子宝に恵まれ、

私は今も幸せです。

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