真夏のプール2【BL/ショート】

暑い、熱い、真昼のプール。


君がよく沈んでいる水の中は、とても息が苦しくて。


僕には、長くいられない。


君はそんな中でもただただ静かに泳ぐから、僕はプールに嫉妬する。


あぁ、君を独占するプールが憎たらしい……。


楽しく泳ぐ君が憎たらしい。


君を包み込む水が憎たらしい。


そんな事を彼女に言ったら『小さい男ね』と、笑われた。


「でもね、それほどまでに好きなんだ……」


そう言うと、彼女はほくそ笑んで告げた。


「彼は愛されていて羨ましいな。でも、それは私に言う事じゃないでしょ?」


だってそれは─────。


「言えるなら、もうとっくの昔に彼に伝えてる」


そう溜め息混じりに呟いた。




end

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