第3話

そして、何年が経っただろう。

僕は病院のベットの上にいた。


おそらくもう、長くはない。


テレビをつけると、彼女が飛行機から降りてきた。

笑顔で手を振っている。


国民的女優だった彼女も、国際的女優になり、世界を飛び回っている。

日本には、あまり帰ってこない。


何年振りだろう?

彼女を見るのは?


僕は、テレビのスイッチを消した。


僕は六等星。

彼女とは違い、そんなに大きな輝きはない。

例え、輝いていても、気づいてもらう頃にはもう、存在はないかもしれない。


でも、それでいい。

輝いていれば、自分が死んだ後にでも、その存在に気が付いてくれる人がいればいい。

そのために、輝き続ける。

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