第9話 奴隷市
俺たちは新たなメンバーを仲間に迎えるため、奴隷市に向かった。
「どうもどうも。こちらは奴隷市。
どんな奴隷をお探しかね?」
奴隷商だ。
「そうだなあ。レベルアップをすると将来強くなりそうなやつはいるか?」
晩成型だろうが何でもいい。
俺にとってレベルアップすることは何の難易度もないのだから。
とにかく強くなる奴がほしい。
「強いやつですな。
用心棒にでも使うのですかな。
まあ、ドワーフが無難でしょうな。」
「ドワーフか、どんなことができる?」
「手先は器用なので、雑事は何でもこなします。
それに、身体が頑丈なので前線を張る戦士の役としても重宝しますぞ。」
まあ、ドワーフはなかなかよさそうだな。
候補に入れておこう。
「他によさそうな種族はいるか?」
ドワーフでも十分よさそうだが、一応、他の候補も一通り見ておきたい。
「そうですなあ。ワーウルフ族なんてどうでしょう?
戦闘に特化した狼の種族です。
ケモノ娘好きの貴族の性奴隷なんかにも人気ですぞ。」
性奴隷ねえ、なんだか胸糞悪くなったじゃねえか。
余計なことを吹き込みあがって、この奴隷商。
「ワーウルフね。具体的に何ができるんだ?」
「そうですな。視覚嗅覚が優れており、索敵から物探しまでいろいろと可能ですな。
戦闘においては、その俊敏な動きから敵をほんろうし、狩ることができますな。
なんといっても、レベルアップするごとに見た目が大人に成熟していくのが特徴ですな。
時間経過でも成熟しますが、寿命は変わらない。
つまり、早くレベルアップするほどに、若い大人である期間が長くなります。
レベルを上げすぎて年老いることは無いのでそこはご安心を。」
「ほう。注意点はあるか?」
「子どものうちはなつきにくいですな。
それゆえ、レベルアップさせるのも難しい。
大器晩成型と言えましょう。」
キタキタ!
大器晩成。こういう種族を待っていた。
俺の『無限メタルスライム』の腕の見せどころじゃねえか!
「よし、奴隷商のおっさん!
ワーウルフにする!
さっそくどんな奴がいるか見せてくれ!」
「はいよ、旦那。
こちらです。」
すると、奴隷商は奥のほうに向かっていった。
道中、ドワーフやら人間やら、はたまた魔物まで奴隷として売られていた。
魔物なんてどうやって使うんだか・・・。
物好きが鬱憤のはけ口にサンドバッグにでもするのか?
すると、奴隷商が立ち止まった。
「こいつなんかどうでしょう?」
奴隷商が指さした先には男のワーウルフがいた。
「すでにレベルが高く成熟しておりますゆえ、レベルアップの手間は省けますぞ。
ただ、こいつは少々反抗的でね。なつくまでが大変そうですな。」
反抗的な大人のワーウルフはちょっと手を焼きそうで面倒くさいな。
反抗的でも若い子どものワーウルフのほうがいい。
教育をしっかり仕込めば簡単にしつけれそうだし。
「子どものワーウルフはいないか?」
「はい、おりますよ。
ですが・・・、感染症にやられておりましてな。
レベルアップさせて成熟させれば、自然と抗体をもって寛解するのですが。
なにせ感染症で死ぬ寸前。レベルアップさせることは困難でしょう。
そいつはもう売り物としての価値もない。金を払ってでも売りに出したいくらいですな。
在庫処分ですな。はっはっは。」
なるほどな、そいつがいいかもしれん。
メタルスライムなど、死にかけの人間でも倒せるさ。
「よし、奴隷商!
そいつ、もらうよ。
いくら払ってくれる?」
奴隷商は耳を疑い、驚く。
「ほんとかい!旦那!
在庫処分を手伝ってくれるとは、太っ腹ですなあ!
こいつです、こいつ!
2万グラナ払いますから、どうか引き取ってくれ!」
そう言うと、奴隷商は2万グラナとワーウルフの女の子を差し出した。
奴隷をもらうだけでなく、金までもらってしまった。
ラッキーだぜ。
白色の毛並みの可愛らしい女の子のワーウルフ、ゲットだぜ!
==== 作者あとがき ====
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スキル「無限メタルスライム」により、俺だけ超速レベルアップな件 ムゲン @mugenroudou
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