第8話 能力の使い方
さて、俺たちはラブホテルを後にし、ブランブルのもとへと戻っていた。
「ブランブル、メタルドラゴンの鱗だ。」
俺はブランブルに頼まれた品を手渡した。
「おおう、お前さんはやっぱり俺の見込んだ男だ。
こんな早くに調達してくるとは驚きよ。」
まあ、実質マスターランク冒険者の俺からしたら、メタルドラゴンなど朝飯前よ。
「で、どれくらいで新装備は出来上がるんだ?」
「ああ、お前さんのムチと、メタルスライム自動討伐マシンは合わせて2週間ほどだな。
それくらいの時間は欲しい。
2週間後、また来てくれい!」
そうして、俺たちはブランブルのもとを去った。
2週間後かあ。
その間、なにしようかな。
「なあエマ。何かやりたいことないか?」
「そうね。仲間がほしいと思わない?
ツグクと2人きりの旅も捨てがたいけれど、主戦力がツグクだけってのもパーティとしてどうかと思うの。」
まあ、確かにな。
正直、エマは弱いからあまり戦闘面では役に立たない。
俺にもしものことがあってはこのパーティは瓦解するだろう。
それを防ぐためにも、強力な見方が必要だ。
「しかし、俺クラスの強い人間などそういまい。」
「そうね。でも、あなたのそのスキルで出たメタルスライムを仲間にも分ければいいじゃない。
それで強くなってもらえば、パーティとしてより強くなれるわよ?」
まあ、それもそうだなあ。
でも、そうすると、俺のレベルアップが行き詰ってしまうしなあ。
俺は他人にメタルスライムを狩らせたことは一度もない。
いや、嘘だ。
トードには狩られたな。
まあ、ものは試しだ。
ちょっとエマに試してみよう。
「エマ、お前がメタルスライムを狩ってみてくれ。」
ポカーン!
メタルスライムが出現し、エマがそれを攻撃し、倒した。
すると、どういうわけか、もう1匹、連続で出た。
「エマ!もう一回倒せ!」
エマは再びメタルスライムを倒した。
すると、再び、もう1匹出た。
うーむ。
バチンっ!
俺が倒すと、メタルスライムは出るのが止まった。
そして、いつもの通り、一定時間たつと。
ポカーン!
と出てきた。
なんとなく能力が分かったぞ。
俺以外の人間がメタルスライムを倒すと、もう1匹出るんだ。
つまり、俺が倒すまで、メタルスライムは出続けるのだ。
これは朗報。
俺だけは絶対に欠かさずにメタルスライムを狩れるということなのだから。
ということは、仲間にメタルスライムを分け与えることは損ではない。
むしろ得だ。
「エマ、これなら仲間を増やせるな!」
しかし、どこから仲間を調達しよう。
「仲間を集めるにはギルドか奴隷市ね。
でも、ギルドだとみんな既に徒党を組んでるから一人だけ仲間に引き抜くのは難しいかも。」
では、奴隷市しかあるまい。
「よし、奴隷市に行こうではないか!」
そうして、俺たちは奴隷市に向かった。
==== 作者あとがき ====
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