2年生編
序章
「今日から、私が2年3組の担当する、西山西城だ」
渋い声が教室に響く。
今日から俺たちは二年生になった。時の流れは早く冬はいつの間にか終わっていて、もう春風が吹いていた。
拓哉は窓から見える景色を眺める。
色々あったな、木から落ちる花を最後まで眺める。あの日から俺は変わった。自分の人生のターニングポイントだと思う。
あの日から、みんなも変わっていた。早百合は拓哉と付き合うためもっと美人になり、琴音はピアノを頑張り、凜は拓哉と付き合うため強くなったり、志保は自分の体を大切にし、日々綺麗になるために頑張っている。
みんな、変わった。そして、親友の成瀬はーー。
「何、すかしてるんだよ?」
隣に座っている成瀬が拓哉の椅子を蹴る。
「今、思い出に浸っていたのに」
そう、成瀬は何も変わらなかった。いや、変わる必要がなかった。
拓哉は成瀬と話しながら周りを見渡す。
どういう確率なんだよ。
2年3組は奇跡に近かった。
早百合、琴音、成瀬、志保、そうみんな同じクラスなのだ。
そして、自己紹介の時間になる。
「私の名前は斎藤早百合です」
深いお辞儀をする、早百合。
斎藤早百合・早百合は拓哉のことが好きである。拓哉の優しさに惚れている。また、拓哉のことを支えたいと思っている。
教室は大きな拍手が響く。
「私の名前は、藤波志保です」
藤波志保、彼女は早百合と同じで拓哉のことが好きである。一度振られているが諦めきれず、拓哉と付き合えるように頑張っている。また、志保は中学の時クズを好きになってしまう。そんなクズと雰囲気が似ていた拓哉を好きになる。だが拓哉はとても優しく、拓哉の優しさに惚れてしまった。
また、大きな拍手が響く。
「私の名前は、山田琴音です」
山田琴音、彼女は天才ピアニストである。だがある日ピアノが嫌になる。何のために弾いているのか、誰のために弾いているのか。何もかも分からなくなってしまう。
そんなの時拓哉と出逢う。拓哉のピアノを聴き一緒にピアノをしたいと思う。拓哉にお願いし一緒に連弾する。していくなかで、拓哉のためにピアノを弾こうと、拓哉にピアノを贈ろうと考えた。そして、拓哉を好きになっていた。
また、大きな拍手が響く。
そして、多くの人が自己紹介をしていき、拓哉の番になる。
「えーと、真治拓哉です」
真治拓哉・彼は中学の時雪と言う女子と付き合う。雪は余命数年だった。そんな雪はある日自殺をしようとする。追い込まれている雪を見て、好きでもないのに付き合うことにした。
自分は雪が好きだと嘘を付きながら。その時から拓哉は自分の気持ちが分からなかった。だが、みんなの説得により、自分の気持ちを取り戻した。
なんか俺だけ拍手小さくね? 小さな拍手が教室に響く。
「早川成瀬」
早川成瀬・彼は拓哉の友達である。
また、大きな拍手が教室に響く。
まじで、俺だけ拍手小さくね? やっぱり小さない。自分の人気のなさにため息を吐く。
そして、春とは思えないほど晴れている空を眺める。
今日から2年生か。
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