異世界市立 数字野小学校

弐戸羅

第1話またねー

 えー五月上旬、花粉症という名のとおっても嫌なものへわかれを告げ、天気と一緒にとっても晴れ晴れしながら、かごとお金を持ち八百屋へ向かっております。

「あらお嬢ちゃん。いっつも偉いわねえ。ほら、これ。あ・げ・るっ。」

「ええ~いいんですか!」

「いいよいいよ。持っておいき」

「ありがとうございますっ!」

要するに、私、由和理ゆわりはお母さんから散歩と称しお使いに向かわせられているわけで。

そしてなぜ晴れ晴れした気分かというと。

「よっ由和理ちゃん。福引やってくか?まだだあれも一等当たっとらんぞ」

「あ!おじさん!いくら?」

「なーに、お前さんちにはいっつも迷惑しとる。一回めはただ!」

「やったー!」

おじさんの駄菓子屋の福引があるから&お使いに行けば勉強後回しに出来る+お小遣い10円!これぞ最高のフルコース!

 じゃあ、早速引かせてもらってもいいでしょうか?おじさん。

「ああ。いいぞ」

「では」

ゆっくーりゆっくーりぐるぐる回し、、、。

コロンっ

「おお!三等だ!」

「三等って何ですか?」

くじで三等なんて当たったことない。

「ほい。これな。」

「え?なんだろ?」

「ふふふ。さてなあーんだ」

ええー?クイズ?おじさん、私にわかると思ってます?私、自分で言うのもなんですけど、ツッコミにしか才がない超平凡以下ちょうへいぼんいか少女なんです。

「正解はな、よくお店の扉ついてる、ちゃらちゃらなるやつ。わかるか?」

え?あのーこれ、駄菓子屋の福引でもらうもんじゃない気がするんですが。

「何でもいいだろー?」

「まあもらえるなら」

「じゃあな、由和理ちゃん。」

「うん。またねー」

満足した気分で、八百屋へと足をはずませた。

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異世界市立 数字野小学校 弐戸羅 @nikora2013

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