『短歌の秋』投稿作品［光］

退場門泣く子笑う子みなヒーロー弁当囲み舌鼓打つ

退場門（たいじょうもん）　泣（な）く子（こ）笑（わら）う子（こ）　みなヒーロー　弁当囲（べんとうかこ）み　舌鼓（したづつみ）打（う）つ

　＊　＊

　運動会を思い返して一首。

　競技が終わり、駆け足で退場してくる子の顔は笑顔泣き顔様々でした。

　でも結果なんて関係ない。

　みんな全力で頑張ったんだもの、みんながヒーローで一等賞だよ！

　……と、親は思うんですよねぇ。

　当人たちはやっぱり勝ち負けが全てだったりして、悔しい結果に終わった子には「頑張ったね」くらいしかかけられる言葉がなかったなぁ。

　勝った子は自信に繋げて、負けた子はバネにして、みんなすくすく伸びていってもらいたいものです。

　元気いっぱい動いたあとはお楽しみのお弁当。

　我が子の通っていた小学校は家族でお昼を食べるスタイルでしたので、朝四時起きで家族分のお弁当を用意して大荷物で参戦したものでした。

　競技の話題をおかずにみんなで囲んだお弁当の美味しかったこと。

　普段食べてる料理と味は変わらないはずなのに何故かすごく美味しく感じるのですよね。ふしぎ〜。

　「暑かった」「日焼けした」「早起きしたから眠い」「疲れた」……思い返せば大変だった感情がいろいろ蘇ってきますが、最終的には「良かったな」の一言に尽きます。