第27話会談

織田信長は、独特のオーラを放ち、信玄の屋敷へと向かった。


「信玄殿。」

「信長殿が直々に来るとは、何事かね?」

「我が岐阜城を武田家へ差し出すので、武田守護神を正室にしたい。」

「断る。夏希殿は、どこにもやらさん。」

「じゃあ、時々、躑躅が崎に訪問することは?」

「武田が徳川を攻めても、援軍を出さぬなら、良かろう。お主の命は保障する。」 

「ありがとうございます。」


会談終了後。


「夏希!」

夏希は、昌景の後ろに隠れる。

「何の用だ。信長。」

「お主に用はない。俺はそなたに惚れた。また、会いに来る。」

「来るな。夏希は、誰にも渡さん。」

「お主とは、いいライバルになりそうだ。赤備え。戦においても、女人においても。」

そう言い放ち、信長は小雲雀と伴に岐阜城へと帰って行った。

織田信長らしい。異世界から来た女人に惚れるとは。

「私は、信長に興味なんてない。あるのは、、、。」 

「あるのは?」

「勘助のおっさん!」

「そうでっか。人の気も知らないで。」

「嘘、嘘。私が好きなのは昌景だけよ。」

「夏希、、、。」

昌景は夏希にキスしようとする。

「ふしだらな。」

「昌豊、てめえ!」

「面白いから、続きをどうぞ。」

「ふざけるな!」

「海津城がそろそろ出来上がる。」

「謙信との戦か?」

「そのようだ。」

海津城は、川中島で合戦するのに、もってこいの場所。

夏希は、なんとなく不安に感じていた。

「大丈夫かな?」

「大丈夫さっ。」

「心配ご無用です。夏希殿。」

「なら、いいけど。」

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