第26話兵法伝授

山本勘助の屋敷。


「勘助のおっさん!」

「これは、夏希殿。何かね。」

「兵法を教えてもらいたくて。」

「いいぞよ。」

「ありがとうございます!」

「啄木鳥の戦法はご存知だね?」

「はい。」

「では、新たな戦法を教えよう。」

「お願いします。」

「敵の領地、城を無視して山道に行軍する。さすれば、相手は黙っておらん。相手は城を打って出る。その時に行軍を反転させ、相手を追撃する。」

「なるほど。さすが勘助のおっさん!」

「そちと、話してると楽しいわい。」

「そうですか?」

「うむ。それはそうと昌景と上手くやってるかね?」

夏希の頬は赤らむ。

「何をいきなり。」

「お主らのことは、わしはよく知っておる。どれ、祝言でも、、、。」

「勘助のおっさん!」

「そちは、からかい甲斐があるのう。」

「もうっ!」

「また、次回教えよう。」

「お願いします。」

これが最初で最後になる講義とは、まだ夏希は知らなかった。


「夏希ー!」

「終わったか?何で顔が赤いんだ?」 

(もうっ!勘助のおっさんが変なこと言うから!)

「別に!厚いのよ!」

「そうか。じゃあ、俺と一緒に裸になって、水浴びでも、、、。」


ボカッ!


「痛い。冗談なのに。」


「夏希!」

「おっ織田信長?どうして?戦はどうしたのよ!」

「浅井と徳川と同盟した。」

「清洲同盟ね。」

「異世界から来たおなごは何でも知ってるのう。」

「何しにきたのよ!」

「夏希に会いに。」


「こいつを呼び捨てにしていいのは、俺だけだ。」

「お主は、山県昌景。お主に用はない。夏希に。」

「俺は、こいつの世話役だ。話しがあるなら、俺に。」

「俺は、夏希を正室にしたいと思っておる。」

「ご冗談を!とっととお帰りに!」

「信玄に用がある。」

「さっさっとお館様のところに行け!」

「言われなくても。」




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