第12話歴史が違う!?
「夏希。躑躅が崎館に帰るぞ。」
「うん。」
昌景と夏希は、黒川金山のある鶏冠山をあとにした。
躑躅が崎館。
「お館様。」
「おお。戻ってきおったか。昌景に夏希殿。して、どうだったかね?」
「金の採掘は、順調でした。」
「それは、良かったぞよ。武田の財政も安泰じゃ。採掘者達に俸禄を上げないとな。」
「それと、夏希殿の世界にちょっと行ってきました。掃除のなされてない夏希殿の部屋に、、、。」
「ちょっと!失礼なっ!昌景!」
「ほう。それは興味深いな。お主に嫉妬じゃ。ハハハッ!」
「それはそうと、信玄のライバルは上杉謙信でしょ。」
「無論。」
「だから、北条と今川と三国同盟したのね。」
「三国同盟とは、何かね。わしは今川とは同盟結んでおるが、北条とは結んでおらん。今川義元は北条とも同盟しておるが。」
「えっ?」
(んー。私が勉強した歴史とは違うぞ。)
「北条に攻められたら、上杉謙信どころじゃなくなるんじゃ、、、。」
「安心せい。夏希殿。人は城。人は石垣。人は掘。情は味方。仇は敵なり。武田二十四将がいる限り、夏希殿がいる限り、我が武田軍は、大丈夫だ。のう。守護神様。」
「はっはい!」
夏希は自信ないけど、とっさに返事をしてしまった。
「後、お館様。夏希殿はドラミと会話が出来るようで。」
「それは、不思議な力じゃ。さすが夏希殿。」
「いえ。私は。ドラミのおかげです。」
「わしの愛馬を頼むぞ。」
「はい!もちろんです!」
「昌景。明日、軍議を開く。」
「かしこまりました。」
「下がってよい。」
「はい。」
夏希と昌景は、長い廊下を渡り、みはたたてなしの部屋へと戻った。
「昌景、掃除してないとは余計でしょ!」
「お館様に隠しごとをしてもすぐにバレる。」
「そんなことまで報告を!?」
「そうだ。」
「疲れてるだろ。もう寝ろ。」
「うん。」
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